「鳥の攻撃を受けて作物が被害を受けました。」というメッセージが出るアレです。
数回の検証により、鳥害の有無で作物の収穫量に違いが無いことを確かめてきました。
過去記事が、じつは鳥害によって変化する数値は収穫量ではなく、収穫までにかかる時間であるとの情報をいただきました。どうやら鳥害により、作物の「健康」に影響が及び、時間がのびるとのこと。
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さっそく確かめてみました。
1.まず鳥害発生時に作物にどのような変化が出るか調べる
1つのフェンスに、他のフェンスで育てていない作物(今回は特級小麦)を植え、鳥害アナウンスがあったタイミングで作物の状態をみてみました。
下画像のように、鳥害のアナウンスを確認した後、作物ひとつずつのパラメータを見てみると、
下画像のように、一つの作物だけ栽培予想時間と健康の数値に変化がありました。これが鳥害を受けたのだと判断できます。
今回は収穫までに4回鳥害が発生。
発生したタイミングでの「被害を受けなかった作物の栽培予想時間」を基準とした被害作物の表が以下となります。注意点として、基準時間の15.23分と9.42分の時点は、肥料の効果が切れています。また、基準時間15.23分のとき、作物1、2は空白になっておりますが、これは記録の取り忘れです。
これをみると、たしかに鳥害により作物の健康が下がり、収穫までの時間がのびることが分かりました。
ただし、基準時間15.23分と9.42分の鳥害アナウンスでは、健康に変化のあった作物がありませんでした。
鳥害による健康の下がり幅がランダムで、たまたまゼロだったのでしょうか。
これを調べるのは相当ホネなので、いずれ機会があれば。
2.健康と成長速度の関係とは
さて、鳥害による健康、栽培予想時間の変化は確認できました。
では健康が下がると栽培時間はどの程度のびるのでしょうか。
例えば、作物に肥料を撒くと成長速度は1.25倍になることが知られています。
正しい計算式は当然分かりませんが、他の要因がかかわらない場合の式として、
成長速度 = 基礎成長速度 x 肥料定数(1.25)
が成り立つことを考えると、それを発展させ
成長速度 = 基礎成長速度 x 肥料定数(1.25) x 健康%
もしくは加算式で
成長速度 = 基礎成長速度 x (1 + 肥料定数(0.25) + (健康% - 1))
に近しい値が成り立つのではないかと仮定します。
実際に特級ヒマワリのデータを取得し、計算した結果が以下の表となります。
肥料なしの健康の計算では、乗算・加算ともに変わらない数値のため、加算は無記載となっています。
健康の計算結果をみると、かなりばらつきはあるものの概ね計算式(特に加算方式)に近い形となっています。
もし記録データの「成長」パーセンテージの小数点以下まで記載されていれば、もっと計算値の精度は上がったのではないかと思われます。
3.健康はどこまで低下するのか
健康のパーセンテージがそのまま成長速度に掛かっていると分かると、健康がどこまで低下するのか気になってきます。
調査を開始してから見た中で一番低かったのは、下画像の75%でした(成長が100%を越えており、速度計算ができないのが残念)。
また、サンプルとしては相当少ないですが、成長100%まで待った際の健康分布は以下となりました。
健康を100%維持した作物も四分の一ありますが、多くの作物は被害を受けることが分かります。
4.結局カカシは設置したほうが良いのか
これまでのデータから、カカシありの収穫量とカカシなしの収穫量が同一となる分岐点をざっくりと探っていきたいと思います。
式は加算方式とすると、それぞれ
カカシあり1分あたり収穫量 = 平均収穫量 x 基礎成長速度 x (1 + 肥料定数) x カカシあり設置作物数
カカシなし1分あたり収穫量 = 平均収穫量 x 基礎成長速度 x (健康 + 肥料定数) x カカシなし設置作物数
とします。
カカシありの方は、カカシを設置していれば健康が下がることはないため、式に健康を含めていません。
カカシなしの方は、健康の時間経過での変動要因は計算が面倒なため、成長ゼロ%から一定だけ減っている状況として計算します。
これを解くと
健康 = カカシあり設置作物数 ÷ カカシなし設置作物数 x (1 + 肥料定数) - 肥料定数
となります。
各フェンスの大きさでの健康分岐点は以下のように計算できました。
追加で水路を設置した場合の計算もしています。
カカシ・水路と2マスとられる場合は、鳥害の猶予もかなり緩くなっています。
10マスフェンスで1マス作物を育てる場合のカカシ設置時の分岐点 0.8750 をどう見るかですが、これは検証を重ねないと何とも言えません。言えませんが、個人的な感覚ではカカシなしと変わらないくらいに感じます。
今回は成長速度の速いヒマワリでしたが、成長の遅い作物の場合は鳥害の頻度も増える可能性があるため、カカシを設置したほうが良いかもしれません。
5.鳥害について分かった事・分からない事
今回の実験及びこれまでの経過で分かった鳥害に関する事をまとめました。
[分かった事]
- 5分毎に鳥害発生(ランダム)のタイミングが訪れる(害虫等の起こるタイミングと同じ)
- 肥料をまくと鳥害発生(ランダム)
- 鳥害で作物の健康%が減る
- 作物の健康%が減ると、栽培予想時間が増える
- カカシを設置すると、健康%が減らなくなる
[分からない事]
- 鳥害の多い作物、少ない作物はあるのか
- 1回の鳥害で減る健康%の度合いは決まっているのか
- 健康%の実現しうる最低値はいくらか
- 鳥害で収穫量自体にも変動があるのか
- 肥料をまいた際、鳥害が発生する場合しない場合の差はどこからくるのか
- 他プレイヤーが肥料をまいた際に自分の畑の鳥害を誘発するか(一度おかしなタイミングで鳥害が発生したことがあり、他プレイヤーの可能性は考えられる)
かなり検証が負担になるため、今回はここまでとします。
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