黒い砂漠カルフェON宴会芸術祭用ファンアート2021 のメイキング

12/12/2021

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今年も『黒い砂漠PC X 黒い砂漠CONSOLE:カルフェON宴会』が2021年12月12日に開催され、ファンアートを競い合う芸術祭用の絵を描きました。

またもや落選してしまいましたが、どちらにしても完成までの過程を記事にしようと考えていたので、ここへ記します。

描く前の段階でおそらく時間がかかるであろうと思われ、動画での記録はしませんでした。予想外に早く終わったので録画すれば良かったなあと後悔しています。


1.構想を練り、ラフを描く


まず描きたい事、テーマを考えます。

絶対に描きたかったのはスケートボードに乗ったシャイ族。まだ実装されていませんが、テスト動画がアップされ話題になったばかりだったので、ここから絵の様相を決めていきます。

今年実装されたアトラクシオンというコンテンツがタイムリーで良いかな、ということでこれ等を組み合わせた絵に決定。この時点では各々のキャラクターの正確な形は調べておらず、何となくの形を1枚のレイヤーにぐちゃぐちゃ描いたり消したりします。この時点ではモノクロです。



スケボーもどんなポーズがあるのか分からず、よく分からない格好になっています。

2.ラフをある程度形にする


構図は決まったので、ある程度の形を作っていきます。

それぞれのキャラとボスのデザインをゲーム内や外部の動画で確認しつつ、形を整えていきます。まだモノクロで描いています。



描くうえで参考資料は多めに観察したほうが良いです。今回はゲーム内で自キャラを様々な角度から撮影したり、アトラクシオンのボス攻略動画をいくつも見ました。

スケボーに関してはゲーム内のデザインがちゃんと公表されているわけではないので、既出の映像とオリンピックのスケボー映像等を参考にしました。

また、キャラクターの配置をあーでもないこーでもないと移動しつつ描くであろうと予測できたので、1枚絵からキャラクター毎に切り取り、レイヤー分けしています。

3.色をのせる


オーバーレイレイヤーで色を付けます。レイヤーが分かれているので、各レイヤー毎にオーバーレイで色をのせます。

今回のようにモノクロにオーバーレイで色を付ける、いわゆるグリザイユの手法を用いる場合は、モノクロの段階で描き込みをしっかりとし綺麗に仕上げる人もいますが、自分はある程度ラフのままでさっさと色をのせてしまうことが多いです。



(これ、色をつける直前と直後の画像を保存していたつもりでしたが、けっこう修正した後ですね。)

オーバーレイのレイヤーは残しておかず、下のレイヤーと結合します。なのでここからはモノクロではなくカラーで描き込んでいく作業になります。

少し描き進めたものが下ですが、


  • 通常は直接色を決める、又はスポイトで拾って描き込みます
  • 色を変えたい、濃く(薄く)したい場合、オーバーレイレイヤーを重ねることもあります(その後結合)
  • 形を変えずに影を付けたい場合は乗算レイヤーを重ねたりもします(その後結合)
  • 形を変えずに明るく照らしたい場合はスクリーンレイヤーを重ねても良いです(その後結合)
  • モンスターの模様は後で光る加工を施そうと思ったので別レイヤーで描いています(結合しない)
この時点で、手前の弓を構えたレンジャー族とスケボーのシャイ族以外はレイヤーを結合しています。

後に結合したキャラを位置調整で動かしましたが、1枚絵でも修正が面倒そうでない箇所はどんどん結合します。逆に弓を構えるレンジャーは、位置を変えようとするとボスキャラの書き直し箇所が多く面倒なので、レイヤーを分けたままにしています。

4.描き込みつつ、見え方の調整


完成に向け細部を描き込んでいく作業をしつつ、全体の陰影や色味も調整していきます。


 ↓

 ↓


細部の描き込みはキャンバスを拡大して描いていくわけですが、そうすると全体のバランスがおかしくなる場合があります。そこで適宜絵を縮小して全体を見る作業も行います。小さい絵でも何をやっているのかが分かるようであれば問題なし。よく分からない場合は、分かるように修正します。

それから、個人的にベラスケスの影響を受けているため(かどうかは分かりませんが)絵を正確に描き込みすぎるのが嫌いで、「ある程度の距離からちゃんとそれらしく見えるのが格好良い」という考えを持っています。

例えば小さく描いたキャラなんかは、近くでみるとすごく雑に見えます。




仕事で要求されるのであれば別ですが、趣味で自分の絵だ!と言って描くならこれで良いと思っています。

5.完成。だがここで終わってはいけない


最終的に提出した絵が下になります。



今回はアイディアもスムーズに出て早く仕上がったなー、と余裕を持って提出したのですが、今見返してみるとすぐに粗に気づきます。



赤丸で囲った左のほうは、この角度だと模様はこんな風に見えません。
右は上から光が指しているのに、奥まった陰の部分まで明るくなってしまっています。

あと根本的な話で、実際のゲームと比較するとボスクリーチャーが小さすぎる(人間が大きすぎる)ので、この辺も修正したほうが良かったと思います。

「絵を描いた直後には見えなかった問題点も時間をおくと見えてくる」という実例です。

描き切った後その絵を全く見ず寝かせておく時間を取るようにしましょう(自戒)。

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