写真加工アプリPREQUELのカートゥーン表現をみてみる

12/02/2022

PaintingTips&Techniques デジタルアート

1.二次元化アプリPREQUELがすごい


最近ツイッターで自撮りの2次元化画像をよく見かけるようになり、なんだろうと調べてみるとPrequel社の『PREQUEL』という写真加工アプリのCartoonエフェクトを使っていることが分かりました。

このアプリで加工すると「リアルな絵」のような表現になるだけでなく、メチャメチャ格好良い見た目になるのですが、これ自分の絵にエフェクトをかけるとどうなるんだろう?と思い試してみました。


いやいや、すごいですよこれ。加工後の画像はなんだか売り物の絵みたいに見えてきます。

ちなみにカートゥーンのエフェクトは "Cartoon" と "Cartoon+" の2種類があって、Cartoonは顔を認識してそこを加工するもの、Cartoon+の方は絵全体を加工するものとなっているようです。見比べてみると画像処理の内容は少し違いそうですね。

恐らくCartoonの処理の流れとしては、

  1. エッジ抽出と色むらの慣らし
  2. 彩度を上げる
  3. 顔の位置を特定
  4. 顔のパーツを書き換え

という感じでしょうか。

この記事の最後に色々な絵を加工したものをアップしているので見て頂ければ分かると思うのですが、パーツの書き換えは特定の絵に寄せていると思われます。

2.簡易的な絵で実験


で、何が魅力的な絵にしている要因なのか気になりまして。ちょっと実験をしてみようと。

例えばこんな簡素な絵はどうなるかな、と試してみたところ



Cartoon では顔の認識ができず加工失敗、プラスの方も彩度、明度が変化したのみとなりました。分かりづらいですがエッジ抽出も行われています。

ふむふむ、じゃあもう少し顔っぽい絵はどうでしょう。



おぉー読み取ってくれました。元の絵はとくに可愛くもない顔ですが、しっかり美化されていますね。なんだか適当に描いて最後はアプリにお任せしたら楽に色々できそうで複雑な心境です。

次はもう少し描き込んだものです。



元の絵の目を大きめに描いているのでどうなるかなと思ったら、さらに目が大きくなりました。さて、色々試したくなってきたのでこのオリジナルを元にして実験してみましょう。

まずは鼻を消すとどうなるか。



無い場合は追加されないようですね。せっかく良い感じに加工してくれるので、各パーツは描いたほうが良さそうです。

次に目を腫れぼったくしてみます。



元の顔よりも魅力的に加工されました。勝手にまつげの量を増やして目の印象を良くしています。

目を極端に小さくすると



なるほど。先ほどからの絵と比べてみると分かりやすいですが、元の目の大きさから一定量大きくする処理が入っているようですね。

目の角度を変えてみるとどうでしょうか。タレ目にしてみます。



元の角度を保ったまま加工されています。加工の法則がなんとなく分かって来ましたね。

ちなみに目の角度を完全に縦にしても顔の認識はされました。



縦のまま同じように加工されます。ただし通常の加工時には追加されていたまつ毛は追加されていないため、目として認識がされていない可能性はあります。


今までの加工後の画像を並べてみました。



こう並べると分かりやすいですね。

3.色々な絵を加工してみた


ここからは過去に描いた絵とその加工後の画像をサンプルとして掲載します。半分くらいは模写です。

3.1.リアルよりの絵








目を一定率大きくしまつ毛を増量。瞳は特徴的な形式に統一。唇は厚めに、二つの山を強調したフォルムになります。肌の色はスムージングされ滑らかに、彩度が上がり健康的な美化がなされています。

下はGIF画像での比較です。



3.2.絵っぽい絵





上の二枚、上段の絵はしっかり顔が認識され加工されています。しかし下段のCartoonの顔をよく見てみると、左目は瞳が特徴的な模様になりまつ毛も追加されていますが、右目はそのような加工がされておらず目と認識されていない…と思いきやサイズは大きくなっているんですよね。謎です。





赤目でも顔認識には問題なさそうですが、個々のパーツは過度な加工がされていませんね。






3.3.顔と判定されるか微妙なもの



おぼろげな画像もCartoon処理を頑張って行った跡がよく分かります。



これは顔であると認識されませんでした。しかしエッジ処理で味のある水彩画風になって、これはこれで良いですね。勉強になります。



頭蓋骨のバラバラ図はまさかの顔認識可。額を中心にみて判定しているのかもしれません。



石造チックなものも判定してくれました。



足にアニメ顔を描いただけのものはさすがに無理。輪郭線があると無いだけで(だけじゃないけど)すごくマンガちっくになります。



人外も無理。



これはダメかなと思ったのですが、見事顔を探し当ててくれました。ただし過度な加工処理はされておりませんでした。


3.4.その他ダメだったものたち



顔認識はされましたが何故か逆さまになっており、加工も施されませんでした。



たしょう綺麗感は出ましたが劇的な変化は無し。



簡素な線画の場合も認識されないことがあります。


4.まとめ

当初の目的は「絵が魅力的に見える要因を探す」だったのに、アプリの仕様を理解するコーナーみたいになってしまいました。

ただ、沢山の加工された絵を比較できたため、なんとなくの法則は理解できたような気がします。

  • リアル寄りの絵を二次元っぽく表現するには輪郭線を描き込む
  • 目は大きいと可愛く見える
  • まつ毛はふさふさだと可愛く見える
  • 色づかいは鮮やかにすると可愛く見える

このアプリが使っている手法を真似すれば、きれいな絵がきっと描けるはず。いや、だったら最初からアプリ使えばって、それを言っちゃあおしまいですよ。

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