1.経緯
先日初めてイラストの「依頼」をされ受けさせて頂くことになりました。EpicGames フォートナイトのキャラクターのアイコン用画像が欲しいとの内容です。
こちらは初の依頼ということもあって舞い上がってしまい「有償だと良いなー」などと思いながらやり取りをしつつ、結局は無償での提供となり「あーやっぱり無償だよなそりゃ」という感じになったのですが、今冷静に考えてみて「二次創作ってお金取って良いんだっけ?」という状態になってしまったわけです。
というわけで今後のために調べてみました。
前提として、ファンアート等の二次創作自体の発表は大丈夫という前提での話です。
2.一般的には二次創作で営利行為をしてはならない
二次創作の営利活動・商用利用についてはWikipediaの二次創作物の項目からざっくり
- 著作権者の許諾を得ていない場合はダメ
- だけど同人誌などは著作権者が黙認しているから流通している
- 訴訟を起こされる場合もあるから安全ではない(だって著作権法違反だもん)
ということなので、基本的にはNGです。著作権者が利用規約等で許可していればOK。それ以外はダメ。
3.どこまでが営利活動なのか
一般的に営利目的で二次創作をしてはいけないことは分かりましたが、じゃあ物なら良いんでしょうか。広告収入はどうか。どこまでが営利活動なのかよく分かりませんよね。
まず商品券や物品については、創作物への対価として受け取るので営利活動ととらえられる可能性が高いです。
広告収入は一対一の取引ではないですが、ようは広告をはり付けている自分のWebサイトに二次創作のイラストを載せてアクセスを稼ぐのがセーフかアウトかということです。漫画村の事例などをみればアウトになってもおかしくないのかなと思いますが、なんとも微妙です。これについてはガイドラインなどで定めている企業もあるので、基本的にはアウトなのではないかと考えられます。
4.営利目的で二次創作活動ができる場合もある
前述のとおり、著作権者が良いよと言っている場合は二次創作で金銭を得ても大丈夫です。具体的な事例をみていきましょう。
4.1.EpicGames フォートナイトの場合
経緯でも紹介したフォートナイトではファンコンテンツに関するポリシーが公開されています。これによると、
- 非営利なら二次創作(ファンアート)は作って良いよ
- Web動画の広告収入は良いよ
と書いています。なんと動画の広告収入だけはOKが出ています。逆に言えば、それ以外の広告収入はNGということですね。
また、EpicGames はクリエイターサポートプログラムというものを実施しており、これに登録されれば実質的な営利活動が行えます。
フォートナイトの場合、イラストで収益を得る手段は動画とクリエイターサポート(クリサポ)の二つのみだと分かりました。
4.2.Yostar アズールレーンの場合
スマートフォン用ゲームのアズールレーンは「アズールレーン」二次創作・ゲーム実況配信及び動画投稿に関するガイドライン(2020/6/8改訂)において、非営利であれば制作・配布・頒布を自由に行って良いと書いてあります。
この非営利についてガイドライン上で、
趣味の範囲で利用し、継続的な創作活動のための、原材料費や光熱費諸経費、ツール類など制作にかかった費用程度の対価・利益を得る場合においても非営利目的の範囲内とします。
と定めているため、少額であれば利益を得ても良いということになっています。どの程度まで許されるのかは分からないので曖昧ではありますが、ここまで書くとは驚きです。
4.3.Skeb(スケブ)の場合
好きなアーティストに依頼者がお題を出せるサービスSkebは二次創作について以下のツイートをしています。
二次創作についてお問い合わせをいただくことがありますが、権利者以外が二次創作の可否を決めることは、同一性保持権の侵害であると考えており、サービス内の表現の自由を不要に制限しないためにも、一律に禁止するようなことはしません。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) February 8, 2019
サービス側は関知しませんと言っているので、お題を描いて投げ銭のようなものをもらう行為も各々の著作物のガイドラインに乗っ取る必要があるということです。
またSkebでは二次創作公認プログラムという制度もあって、そこに登録されている作品であれば各々の規約に則った上で二次創作のお題を受けることができます。そして収益の一部が著作権者へ還元されます。登録作品一覧はこちらです。
5.まとめ
世の中は二次創作のアイコンで溢れかえっていますが、ガイドラインを守っているものに関しては違法ではない、すなわち二次創作のアイコンをみても「あ、違法行為してる奴だ!」と決めつけてはいけないのです。
でもまあ、半分以上は違法なんでしょうね。自分の場合も今後気をつけつつ、過去にブログへアップした画像の対応も随時やっていきたいと思います(そうとう大変だなあ・・・)。
あと今回は収益に関して着目しましたが、二次創作が可能かどうか自体は色々な制約があるので、それも各々のガイドラインを読んだ上で行うようにしましょう(自戒の念もこめて)。
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